当院のシャント外来・手術

シャント外来について

シャントには、狭窄・閉塞・瘤/コブ・感染・疼痛などの問題が生じることがあります。シャント外来ではこうした問題でお悩みの方の専門的な診察・診断・治療を行っています。
透析シャントの血管アクセストラブルは、ガイドラインを厳格に守って診断していきます。新規シャントの作製や再建は、長期開存を前提に進めていきます。
当院以外の医療機関で行ったシャントに関しても適切な管理が可能で、治療やフォロー、検査などをしっかり行っています。当院のモットーは、シャント不全を起こす前にしっかりとエコーで経過観察しシャント完全閉塞してしまう前に診断し治療を行っていきます。

当院のシャント手術について

当院でのシャント手術は、作成から再建まで多くの場合日帰り手術で対応しております。(手術後場合によっては入院をして経過をみなくてはいけない場合があります。このような場合入院出来る連携病院をご紹介いたします。)日帰り手術とは、入院せずにその日のうちに帰宅できる手術のことです。近年では、術式や麻酔の進歩に伴い、幅広い分野で日帰り手術が広まってきています。シャント手術も通常1~2日ほどの入院が必要でしたが、現在では日帰り手術が可能です。 日帰り手術の場合、入院の必要がないため、医療費を削減することができ、時間的拘束も減らすことができます。また、局所麻酔下で行えるため、お身体への負担も軽減されており、メリットが多くあります。 また、当院では手術を受けた患者様が安心できるように努力してまいります。

  • シャント作製術
  • シャント血管拡張術
  • シャント瘤除去術
  • シャント血流コントロール術
  • シャント閉塞時血栓除去術
  • 人工血管設置術
  • 動脈表在化手術

当院の特徴

累計2,500件以上の手術実績

当院で行うシャント作製や再建術をはじめとしたバスキュラーアクセス手術は、数多くの手術経験を積み重ねてきた院長が行っています。開業にいたるまで、年間約150例・累計約2500件以上の手術を行っておりました。

幅広い手術にタイプ可能

当院では、日帰りでのシャントPTA(経皮的血管形成術)、シャント作製術、人工血管設置術、腹膜透析用カテーテル挿入術などの手術を行っています。

日帰りが可能

基本的に、作成から再建まで多くの場合日帰り手術が可能です。但し、抗血小板薬や抗凝固薬など血液をサラサラにする薬を飲んでいらっしゃる患者様で止血しにくい方や、手術中の思わぬ合併症などを併発し入院が必要になった場合は、入院施設のある連携病院へ紹介いたしますのでご安心ください。

エコー下でPTAを行います

造影剤アレルギーがある方にもエコー下PTAにより対応可能です。柏市で対応できる施設はほとんどありません。

手術の傷跡を目立たなくするよう努めています

シャント手術では手首周辺に皮膚縫合を行うため、傷跡が気になって袖の長い服しか着られないなどとお悩みになる方が少なくありません。これまでシャント手術は命に関わる治療だからと見た目への配慮がされないケースがほとんどでした。当院では、できるだけきれいに仕上げることで患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を保つようにしています。

インターネットでのご相談も可能

透析治療やシャントの作製はその後を大きく左右する可能性がありますので、不安もあると思います。また、ライフスタイルや年齢、今後の生活環境の変化など事情により、疑問に感じることやお悩みもさまざまです。当院ではインターネットからのご相談にも応じておりますので、お気軽にお問い合わせください。

シャント手術の流れ

※他院からのご紹介でご来院される場合には、紹介状を忘れずにお持ちください。

1初診と検査

静脈と動脈の状態を確認するために、超音波検査を行います。

2検査結果と手術の説明

検査結果をご説明し、どの血管を使ってシャントを作製するかについてご相談します。

3手術

基本的に局所麻酔による日帰り手術です。
目安として、自己血管の手術には約60分、人工血管の手術には約120分かかります。

4透析開始

シャント作製の後は、透析治療の開始です。目安ですが自己血管による手術の場合は、透析開始まで約2週間程度人工血管の場合は2~3週間かかります。

5メンテナンス

血液透析患者さんにとってシャントは命の生命線です。当院では、シャントトラブルを防止するために、定期的に視診・聴診・エコーでチェックしメンテナンスをしていくように努めていきます。

その他の治療方法

経皮的血管形成術(PTA)

狭窄や閉塞が起きたシャントでは、十分な血流量を確保できなくなります。そこで行うのがPTAという治療です。バルーン(風船)のついたカテーテルを血管内に挿入し、狭窄や閉塞が起きた場所でバルーンを膨らませることで、シャントを拡張させます。血栓ができて閉塞しまっている場合は、フォガティーカテーテルを使って血栓を除去したり、血栓を溶かす薬を併用することもあります。当院ではエコー検査で計測した血流量やRI値により、この処置を行う適切な時期を見極めています。定期的にエコー検査を受けて、必要な時にだけPTAを受けるといった治療も可能です。PTAは手術室で行いますが、処置が終了し止血をしたら再度エコー検査を行って改善の状態を確認してご帰宅となります。

長期留置カテーテル術

腕の血管にシャントを作るのが難しい場合に行われます。これはシャントの代わりに長期に渡って使用できる留置カテーテルを使う治療法です。透析を行う際の穿刺(針刺し)は必要ありませんが、前胸部の鎖骨下から管が出ているため、管理が必要です。血液を取り出す動脈側の赤、戻す静脈側の青の管があります。メリットとして、針を刺すことによる痛みや出血がなく、透析中に両手が使えるということです。心臓への負担も軽減できます。ただし、常にカテーテルが入っている状態ですので、日常生活への制限があり、感染リスクがあります。
感染しないための管理では、濡れたテープやガーゼを速やかに外して出口部分を消毒することが重要です。消毒後は清潔なガーゼをすぐに当てるようにしてください。
また入浴は感染する可能性が高いため、必ず防水処置を行ってから入浴する必要があります。そして、できるだけ1番風呂に入ります。また、汗で防止処置をしたものが剥がれてしまわないようご注意ください。(※当院では現在のところ施行しておりません。もし、必要であれば多施設へご紹介いたします)

日常生活のご注意
  • カテーテルを引っ張ったり、曲げたりしないでください
  • 濡れや汚れを発見したら、すぐに病院へ連絡してください
  • 首やカテーテルを留置した側の腕を激しく動かさないでください
  • 透析日は、前開きの下着や衣類を着用してください
  • 首が開いた衣類を着用される際は、スカーフなどで留置部を隠すことをおすすめします
  • 入浴の際には、防水処置を必ずしてください
  • 汗で防水処置が剥がれないよう注意しましょう。
  • 就寝時、カテーテルの折れ曲がり・引っかかりを起こさないようにしてください
チェックするポイント

※下記の異常があったらすぐにご連絡ください

  • 皮膚状態の確認(出血・かゆみ・発赤・痛み・腫れなどの有無)
  • カテーテルが引っ張られていないか、抜けてきている様子はないか
  • カテーテルに傷がないか
  • 固定のテープに剥がれが生じていないか

エコーを用いたシャント管理とPTA

当院ではシャントの管理を最新鋭のエコー(超音波)検査機器を用いて、評価しています。また、シャントトラブルに対するPTAに関しても、超音波を駆使して治療を行っております。柏市では、数少ない施設だと思われます。

エコー下のシャント評価

シャントを長持ちさせるために、シャントのメンテナンスはとても重要です。当院では、エコー検査機器を用いて、シャントの狭窄や閉塞などの、シャントトラブルの早期発見に努めております。
狭窄が起こった血管の場合、血流量が少なくなり、結果として患者様の命にもかかわる事と思われます。エコー検査では、リアルタイムで血管の太さ、血流量や血液の走行状態を確認できるため、トラブルの原因を迅速に判断することができます。また、被爆の心配もないため、安全な検査です。当施設ではおおむね3か月に1回はエコーにてシャントを評価していこうと思っております。

エコー下のシャントPTA

シャントトラブルに対するシャントPTAは、エックス線を用いた透視下で行われることがほとんどです。当院では、基本的にエコー下で行っております。
エコーはエックス線と違い被爆の心配がありません。また、造影剤も使用しないことから、アレルギーの心配もございません。リアルタイムで狭窄位置を確認しながら治療ができるため、拡張部分にだけ正確に局所麻酔を行なえ、治療の痛みを最小限に抑えることができます、
これらのメリットから、当院ではエコー下でのPTAを行っています。

 

シャントトラブル

シャントトラブルシャントは管理などによってトラブルが起こると、透析治療に支障を生じてしまいます。トラブルを防止するためには、定期的なメンテナンスや検査を必ず受けるようにしてください。
代表的なシャントトラブルを下記でご紹介しています。症状に気付いたらできるだけ早くご相談ください。

シャント狭窄

シャントが狭まってしまうことです。透析の際に脱血が悪くなって返血圧が高まってしまいます。シャント音が弱くなって、すきま風のような音が鳴ることがあります。

シャント閉塞

狭窄や血栓などによってシャントが詰まってしまっている状態です。閉塞を起こしたシャントは透析で使用できなくなってしまうため、早急な処置が必要になります。

シャント血管瘤

シャントがコブ状に膨らんでいる状態です。小さい膨らみの場合は問題がありませんが、痛みや感染などを起こしていたり、短期間で大きくなる傾向があった場合には早急な治療が必要です。

静脈高血圧

シャント側の腕が腫れてしまいます。シャントの狭窄や閉塞によって逆流してうっ血し、腫れを起こします。

スチール症候群

シャント側の指に変色や痛みが起こります。放置していると指の壊死に至る可能性もあるため、早急に受診してください。原因はシャントの血流悪化で、指先まで血液が届かずに酸素不足になって生じます。

感染

シャントが細菌に感染している状態です。痛みや腫れを起こすことがあります。感染を起こしたシャントは早急に閉じて、新規のシャントを作製する必要があります。人工血管のシャントは感染リスクが高くいため、特に注意が必要です。

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